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オヤリハグマ
※似た花があるかもしれません
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Pertya triloba (Makino) Makino
花は径1.8cm〜2cm程度、長さも2cm程度。草丈は40cm〜60cm程度。
大きな下部の葉は地上よりやや離れた位置でややかたまってつき、先端側が基部に向けて独特の三中裂をする葉があり結構目につくが、エリアでは明確に裂ける葉は下部数枚が基本で、それすら浅いものが多い。
やや鈍いつやがある。
頭花状にならずよく裂けた筒状花をひとつつける。
複数が台につく頭花ではないがその代わりに花数は多い。
全景の様子
花のつき方に特徴がある。よく開出した花序の枝を出し、それぞれの基部に卵形の他よりやや小さな葉をつけるが、他の種と比べるとはるかに大きな葉で、やたら目立つ。それぞれの花序にはかたまった数花の小花序を1〜数本つける。
蕾時期の様子
この状態を見ると、多くの花が咲くのを随分期待させられる。…かなり高確率で刈られるのだが。
花の様子
花は横向きに咲き、1cm近くになった花冠裂片はひらひらくねくねとしていて早々に垂れ気味になるため、整ったものを探すのはちょくちょく行けない立場では難しい。
中央からは冠毛が開花期からやや突き出ていて(3mm〜5mm程度)少し目立つ。
オシベは突き出ている部分の先端2/3程度が灰紫褐色の葯筒になり、その先端から短くメシベが突き出ている。柱頭は二裂するがあまり目立たない。
よく見ると花糸部分ははっきり離れている。
総苞はやたら細い狭長楕円で先端に向けてやや紅色になる。
各花の基部にも小さいがわりと目立つ全縁卵形の苞葉がつく。
葉の様子
葉は基部がくさび形で、先端側は三裂してやや斜め前に側裂片が突き出て面白い。【●PECT】エリアでは大株でも多くの葉が裂けない個体がほとんどで、3枚以上が裂ける個体はかなり少ない。
また、全て裂けない個体も連続的に同一群落に見られる。
よく裂けてはっきりした強い三分岐のものはむしろかなりまれ。
縁は間がやや欠刻状に窪む不整な鋸歯がまばらにある。
葉柄は長い。葉はややかたまって遠目での雰囲気は偽輪生状にやや近く見えるがそこまでは近接していない。
果実期の様子と果実の拡大
それぞれの花は単花だが横に張り出した小花序に数花つく分少し賑やかになっている。
冠毛は羽毛状にならずそれぞれ1本。また、痩果との間に軸はない。冠毛は褐色ではなく白。
痩果は長さ5mm程度で扁平にならず柱状、上部と下部がやや窄んでいる。上部は微細な斜上毛が生えている。
「センダイハグマ」という植物
(無駄話もいいとこ。読まなくてよい。…。)
●本種とカシワバハグマの雑種として扱われている「センダイハグマ」(YListでは「Pertya x koribana (Nakai) Makino et Nemoto」とされる)というものがある。
ネットのFlora of Japanにも少なくとも今は掲載がなく厳密な定義は不明。(※ずっと下にも書くが、書籍の方には掲載がある模様。)
本種と差異がなくそれは葉が裂けないらしいという漠然とした情報しかないのだが…それが表しているのがもし、このエリアによく見られる、「葉が(あまり)裂けないだけのもの」を指しているのであれば、それはオヤリハグマのこの近辺での形態変異もので雑種でも別種でもないだろうと思う。多少なりと「広いそれ」とは異なる何らかの特徴を他に持つのだろうか。
私が出歩くそれぞれ離れた各エリアでは県南ではないのでカシワバハグマは(今のところ)見られないのだが、この各エリアでは多くのオヤリハグマは連続的に三裂〜裂けないものまで存在する上、オヤリハグマにカシワバハグマを合わせたような特徴は別段どこにも見られない。(カシワバハグマ自体が千葉エリアの方で近所に大量にあるのでやたら見慣れている)。…葉が(あまり)裂けないということを「カシワバハグマに似ている」としてしまうのはあまりに乱暴だ。
ちなみに私が見るエリアのまちまちなそれらの中で最も多いのは、下部のせいぜい1〜2枚の大きな葉のみが三裂する形態のもので、その中でも、それすらも浅いものがかなり多い。
その中には、明らかに多くの葉がしっかり三分岐している「まさにオヤリハグマ」というような個体も混生するのが多少は見られる。
センダイハグマが仮に有効な種(または亜種・変種・品種。雑種も含んで。)としてあったとしても連続的な変異のどこからをセンダイハグマと判断してよいか分からないし、どう考えても懐疑的にならざるをえない。このエントリのものはオヤリハグマ(広義)としておきたい。
●とか書いていたら。
とある論文ではちゃんと調べた上ではるか昔に雑種説を否定しているものがあるらしいと知った。
●でもまずその前に。
【原記載文献】
センダイハグマの記載文献自体もYListに名前が載っているので分かるだろう、と、内容を見られるか調べてみた。
●さてさて。
【その後に雑種説を否定している論文】
●さらっと読みながら、ふと気になったことが。(※原記載でオヤリハグマの認識が異なるので既に破綻している話だが。)
1975では、オヤリハグマの葉は変異が大きく、三分岐が浅く円形になるもの(rotund)から三分岐が深く裂けるもの(trilobed)まであるとしている。
だがその論文では染色体を調べるためにそれと別に「センダイハグマ」を7つの産地から採取していることになっている。何の情報をもってセンダイハグマと同定して抽出したのか不明で、この1975にもセンダイハグマについては写真すらないので草姿すら分からない。(※オヤリハグマについては写真がありかつ表内に小花がひとつであることを記述してあるのでそちらの誤同定はないと思われる。)
ところで葉形だが、夏場暑い地域で育てれば葉はよく育ちよく裂けるのではないか?そして山形方面でよく裂けているものが多く分布するのは、国内でも夏とてつもなく暑い地域を含むからではないのか?
●未知の植物「センダイハグマ」…文献での記述が単にできていないだけで、実際には、あまり裂けないタイプのオヤリハグマとは明らかに異なる他の何らかの特徴があるのだろうか。
●本種とカシワバハグマの雑種として扱われている「センダイハグマ」(YListでは「Pertya x koribana (Nakai) Makino et Nemoto」とされる)というものがある。
ネットのFlora of Japanにも少なくとも今は掲載がなく厳密な定義は不明。(※ずっと下にも書くが、書籍の方には掲載がある模様。)
本種と差異がなくそれは葉が裂けないらしいという漠然とした情報しかないのだが…それが表しているのがもし、このエリアによく見られる、「葉が(あまり)裂けないだけのもの」を指しているのであれば、それはオヤリハグマのこの近辺での形態変異もので雑種でも別種でもないだろうと思う。多少なりと「広いそれ」とは異なる何らかの特徴を他に持つのだろうか。
私が出歩くそれぞれ離れた各エリアでは県南ではないのでカシワバハグマは(今のところ)見られないのだが、この各エリアでは多くのオヤリハグマは連続的に三裂〜裂けないものまで存在する上、オヤリハグマにカシワバハグマを合わせたような特徴は別段どこにも見られない。(カシワバハグマ自体が千葉エリアの方で近所に大量にあるのでやたら見慣れている)。…葉が(あまり)裂けないということを「カシワバハグマに似ている」としてしまうのはあまりに乱暴だ。
ちなみに私が見るエリアのまちまちなそれらの中で最も多いのは、下部のせいぜい1〜2枚の大きな葉のみが三裂する形態のもので、その中でも、それすらも浅いものがかなり多い。
その中には、明らかに多くの葉がしっかり三分岐している「まさにオヤリハグマ」というような個体も混生するのが多少は見られる。
センダイハグマが仮に有効な種(または亜種・変種・品種。雑種も含んで。)としてあったとしても連続的な変異のどこからをセンダイハグマと判断してよいか分からないし、どう考えても懐疑的にならざるをえない。このエントリのものはオヤリハグマ(広義)としておきたい。
●とか書いていたら。
とある論文ではちゃんと調べた上ではるか昔に雑種説を否定しているものがあるらしいと知った。
●でもまずその前に。
【原記載文献】
センダイハグマの記載文献自体もYListに名前が載っているので分かるだろう、と、内容を見られるか調べてみた。
→Typeとして記載されているものは無理として、まともな文献はMacroclinidium koribanum Nakai in B. M. T. 26: 249 (1912)(中井猛之進氏)とされている模様。情報にアクセスしようにもB.M.T.がまず何の略か分からず。…。
→鈍い私は色々調べてようやくBot.Mag.Tokyo(「植物学雑誌」)のことと分かる。
→だめ元で、論文公開しているサイトないか探す。
→「Journal@rchive」(Japan Science and Technology Agency)にて本文の公開を確認。
(植物学雑誌 Vol.26(1912) p249はNo.308にて掲載。)
(植物学雑誌 Vol.26(1912) p249はNo.308にて掲載。)
→Notulæ ad plantas Japoniæ et Koreæ VI (T. Nakai )
86)Macroclinidium Koribanum NAKAI sp. nov.
として記載がある。
読んでみたところ…
まず。センダイハグマは「葉が裂けない個体」とは書いていない。「subtrinervia」、つまりやや三裂するものとされている。記載は結構長いがこの葉形以外目立った特長が読み取れない上にその葉形にしても「sub」(やや)がついているという状態(中途半端な位置)で、かつオヤリハグマにて葉の変異は連続的で大きいことを考えると、微妙な位置づけだと思う。
さて、実は検索表部分には更に他の記述もあり、センダイハグマは花托が無毛で種子は柔毛が生え、オヤリハグマはともに無毛、となっていて、これはもしかしたら有効な特徴なのではないか?と思った。
が、しかし、である。
この検索表には、明らかな認識の違いを示す記述がある。
同じ検索表内の記述にはセンダイハグマだけは「頭花」は小花ひとつ(Caput uniflorum)、オヤリハグマやカシワバハグマは「頭花」は小花が2〜8の側(Caput 2-8 florum)にある。
オヤリハグマは現在の認識ではもちろん、多分発見当初(1890年?)のまともな意味での原記載と思われる同雑誌B.M.Tの8(Makino)時点でも小花がひとつと認識されている。
同じ雑誌ということもあり最初単なる誤記かとも思ったが、後ろに更にcaput minus,oliganthumと改めて書かれているのでそういうものではない模様。
あからさまにおかしく、オヤリハグマを認識できているとは思えないため微妙な状況で、記述の「センダイハグマ」がオヤリハグマと分離できているとは思えないのでこの後の話を展開できそうにないと思った。
というわけで、唯一である「タイプ標本」と遺伝子が一致するもの以外を「センダイハグマ」と同定することができないので、それを有効・無効など言える状況にはないかもしれない。
なお、YListによればこの植物についてFOJの3bに記載とあるのだが、3bまで公開されているはずのネット上のFOJ検索システム(現在、東大ドメイン内に配置)で現時点ではヒットしない。
雑種は載せていないので、雑種説の採用に伴って削除された?再整理まで未掲載にしている?同一種とされた?…不明。一応、雑種だからという説が濃厚か…?
86)Macroclinidium Koribanum NAKAI sp. nov.
として記載がある。
読んでみたところ…
まず。センダイハグマは「葉が裂けない個体」とは書いていない。「subtrinervia」、つまりやや三裂するものとされている。記載は結構長いがこの葉形以外目立った特長が読み取れない上にその葉形にしても「sub」(やや)がついているという状態(中途半端な位置)で、かつオヤリハグマにて葉の変異は連続的で大きいことを考えると、微妙な位置づけだと思う。
さて、実は検索表部分には更に他の記述もあり、センダイハグマは花托が無毛で種子は柔毛が生え、オヤリハグマはともに無毛、となっていて、これはもしかしたら有効な特徴なのではないか?と思った。
が、しかし、である。
この検索表には、明らかな認識の違いを示す記述がある。
同じ検索表内の記述にはセンダイハグマだけは「頭花」は小花ひとつ(Caput uniflorum)、オヤリハグマやカシワバハグマは「頭花」は小花が2〜8の側(Caput 2-8 florum)にある。
オヤリハグマは現在の認識ではもちろん、多分発見当初(1890年?)のまともな意味での原記載と思われる同雑誌B.M.Tの8(Makino)時点でも小花がひとつと認識されている。
同じ雑誌ということもあり最初単なる誤記かとも思ったが、後ろに更にcaput minus,oliganthumと改めて書かれているのでそういうものではない模様。
あからさまにおかしく、オヤリハグマを認識できているとは思えないため微妙な状況で、記述の「センダイハグマ」がオヤリハグマと分離できているとは思えないのでこの後の話を展開できそうにないと思った。
というわけで、唯一である「タイプ標本」と遺伝子が一致するもの以外を「センダイハグマ」と同定することができないので、それを有効・無効など言える状況にはないかもしれない。
なお、YListによればこの植物についてFOJの3bに記載とあるのだが、3bまで公開されているはずのネット上のFOJ検索システム(現在、東大ドメイン内に配置)で現時点ではヒットしない。
雑種は載せていないので、雑種説の採用に伴って削除された?再整理まで未掲載にしている?同一種とされた?…不明。一応、雑種だからという説が濃厚か…?
●さてさて。
【その後に雑種説を否定している論文】
→CiNiiで論文情報を調べたところ、以下の論文と判明
「カシワバハグマ類(キク類)の種とその類縁」
生物科学 Vol. 27 No. 4 p.180〜188 1975年12月 (ISSN 00452033) (NII書誌ID AN00129365) (日本生物科学者協会 編/日本生物科学者協会)
「カシワバハグマ類(キク類)の種とその類縁」
生物科学 Vol. 27 No. 4 p.180〜188 1975年12月 (ISSN 00452033) (NII書誌ID AN00129365) (日本生物科学者協会 編/日本生物科学者協会)
→Webcat plusで所蔵を調べたところ、【●PEPD】エリア近場の千葉大学 附属図書館 松戸分館でも所蔵を確認。一般人でも見られるかは不明。
→図書館のOPACでなぜか掲載がないので仕方なく所蔵確認と一般閲覧確認のために書誌コードを控えて直接電話した。館内OPACに載ってないのにWebcatに載っているのを現認していただき実棚で調べていただいて…見つかったとのこと。また、一般の閲覧・複写は可能。
→現物閲覧。(※以下は内容を全てまとめたものではない。必ず実物を閲覧すること。)
オヤリハグマは葉形に変異が多く強く分岐するものからあまり分岐せずに円形になるものまであるのは私自身実物を観察していて分かっているのだが、
シンプルな傾向性index値を評価した系統分化説が示されているのだが(そもそもそれが本題のひとつ)、
分布についても記載があり、
オヤリハグマは葉形に変異が多く強く分岐するものからあまり分岐せずに円形になるものまであるのは私自身実物を観察していて分かっているのだが、
●三分岐する葉のタイプ[trilobed]と丸い(あまり分岐しない)タイプ[rotund]では核型が異なる模様。染色体数はどちらも2n=28とある。
また、あまり分岐しないタイプはセンダイハグマと核型も一致しているのが分かる。
シンプルな傾向性index値を評価した系統分化説が示されているのだが(そもそもそれが本題のひとつ)、
●センダイハグマについては、最終的に自然雑種説を否定、オヤリハグマの方がセンダイハグマから分化したものとし地理的変異との説になっている。
というわけで、種としてのセンダイハグマ(Macroclinidium koribanum)を否定する説ではない。
(※念のために書いておくと、傾向によるindexを評価する分化の類推はあくまでこの論文のように分化についての説を立ち上げるためのもので別途実証が必要になるもの。注意。)というわけで、種としてのセンダイハグマ(Macroclinidium koribanum)を否定する説ではない。
分布についても記載があり、
●はっきり三分岐する葉のオヤリハグマは山形等日本海側に多く分布し、宮城等太平洋側では(あまり)裂けない葉のオヤリハグマが多く分布し、センダイハグマとされるものも太平洋側に多く分布しオヤリハグマと同所的生育もするとのこと。
なにより、このオヤリハグマ群自体の分布がわりと狭いことを初めて知った。これまで、全国的にある種だと思っていた。●さらっと読みながら、ふと気になったことが。(※原記載でオヤリハグマの認識が異なるので既に破綻している話だが。)
1975では、オヤリハグマの葉は変異が大きく、三分岐が浅く円形になるもの(rotund)から三分岐が深く裂けるもの(trilobed)まであるとしている。
だがその論文では染色体を調べるためにそれと別に「センダイハグマ」を7つの産地から採取していることになっている。何の情報をもってセンダイハグマと同定して抽出したのか不明で、この1975にもセンダイハグマについては写真すらないので草姿すら分からない。(※オヤリハグマについては写真がありかつ表内に小花がひとつであることを記述してあるのでそちらの誤同定はないと思われる。)
ところで葉形だが、夏場暑い地域で育てれば葉はよく育ちよく裂けるのではないか?そして山形方面でよく裂けているものが多く分布するのは、国内でも夏とてつもなく暑い地域を含むからではないのか?
●未知の植物「センダイハグマ」…文献での記述が単にできていないだけで、実際には、あまり裂けないタイプのオヤリハグマとは明らかに異なる他の何らかの特徴があるのだろうか。
花確認:
2008(F10)
実確認:
2008(C11)
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※ただの誹謗中傷やスパムは…本気でへこむので勘弁してください。
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