Anemone flaccida F.Schmidt
花は径2cm~3cm程度。日に輝き眩しい白でこのサイズなので、結構目立つ。草丈は12cm~15cm程度。
ひょろっとしているものの一応真っ直ぐに茎を出し(花茎自体が1~数本出る。)、その先で
柄のない三輪生の総苞葉をつける。3の性質が強く弱い5の性質も持ちつつ何度も細かく裂けている。その中央で
1~3花(大抵2花)を、長い花柄を出してつけている。
桃色のものはウスベニニリンソウとして品種(forma、形態)として分けている考えもあるようだが、環境に左右されているだけのものと思われ、実物を見ている限り、分けて呼ぶようなものではなさそう。
(なお、2012年のGWにはこの同一群落はほぼみんな純白ものだった。)
全景の様子

根茎で地下を長く伸びつつ栄養繁殖するようで、
円形に広がったこんもりとしたかたまりが林縁の明るい
野原等で水玉模様のように点在する様子が多い。

まだ一つ目の蕾が出てきたばかりの頃には、全体の色が薄い紫褐色被りをしている。ちょっと目立たない。
花の様子

花柄は4cm~5cm程度になり、褐色に染まる。それほどは目立たないが白い斜上する短軟毛が多く生えている。
花弁状の萼片は5枚が基本だが結構な確率で
6枚になっているものが見られる。よく開く。形状はあまり長細くなく
倒卵形がベース、全縁が多いが結構不整な波状になっている。
黄緑の
メシベ群は10程度と少ない。その周囲にふわっと放射したり湾曲斜上したりする白いオシベが多数ある。

蕾時期には特に
裏側を中心に桃色に染まり、
開花後もしばらく淡い桃色のもの(表もほんのり染まる)が見られる。特に位置的に外側になる片か、内側の片であれば先端側に色が集中しているものが多い。
開花前にやや冷えた外気と触れている部分に色がよく発現している模様。
萼片裏には斜上する短軟毛が密生~散生。
葉の様子

葉は
頭でっかちな五角形で、小葉柄がほとんどない(せいぜい1mm程度)詰まった
三出複葉。
側小葉は更に強く二深裂する。各裂片は3を基本単位に中裂から深裂し、更に細かく荒く重鋸歯のようにいくつも裂ける。
切れ込み部は白緑に色が抜けている。
葉の表面は艶がなく、前方に傾いた短毛が生えている。縁でも斜上短毛が見える。虫の目になってみれば、実は結構全草毛深い。
脈は結構皺深い。
総苞葉と苞の様子

花の下にある総苞葉は葉によく似た質で、
三輪生し、柄がない。それぞれやや菱形。
きれいな形で目立つ大きな総苞葉にばかり眼を取られがちだが、各花柄の基部をよく見ると
線形・披針形の一対(か1枚)の小さな苞(1cm弱程度)がついている。3花であればフルにあれば6枚になっているので結構ごちゃごちゃしている。
幼生期の様子
花確認:
2010(F5)
2011(F5)
2012(F5)
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