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ヒメナズナ


ヒメナズナ 全景
アブラナ科
ヒメナズナ属
(白)(黒)(灰) | (E)
※似た花があるかもしれません
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Erophila verna (L.) Chevall.

花は2.5mm〜3.2mm程度、草丈は3cm〜15cm程度。
ひとつの花茎に最大で10花程度あるが、ほとんどはまばらで5花程度が多い模様。湾曲斜上する花柄の先に真上を向いている花は果実が大きくなるにつれて段々と花柄が伸びて横に開いていく

出ている花茎の数が異様なものが多く先端がなくなって上部が茶色くなっている花茎も大量に混じり、葉数も異様で盛り上がっている株が結構見られる。極端に早くに伸びたものが草刈された可能性もあるが、それぞれの株同士の成長段階のばらつきや株の大きさのばらつきが極端に大きい気がするので、多年草(短命ではないタイプの)かもしれない。

※最初見つけた際には近寄るまではナ デ シ コ科のハ コ ベなんかの仲間か?等と思ってしまった。
小さな野球グラウンド内のダイヤ外周の草の残る場所とそこへ降りる駐車場で大繁茂していた。この狭い周囲はそれより周りの在来の自然の残る部分(田舎なので結構色々ある)と違い急に帰化植物が多くなっている。グラウンドは、立ち上げ時の砂入れはもちろん、その後も延々、各地転戦する人たちの道具・靴や車について色々な場所の植物が入ってくる上によく除草されるため草刈耐性の強い種類(帰化植物が多い)だけ残り、どこでもこういった傾向が出てしまう。

全景の様子

ヒメナズナ 全景 ヒメナズナ 全景 ヒメナズナ 全景
花期には花柄は3mm程度がほとんどだが、果実期に向けて花柄はどんどん伸び、ひょろっとして少しだけくねくねとして、8mm程度ある。
花茎の上部で花序がふたつに別れるものも中には見られた。
茎はなぜかくねくねとくねっているものが多い。下部に白い毛が散生し、上部に行くほど無毛になる。
花柄はまず無毛。

花と萼・花柄

ヒメナズナ 花序と果実 ヒメナズナ 花 ヒメナズナ 花
ヒメナズナ 花 ヒメナズナ 萼 花弁は白で4枚、H字ではなくきれいなX字状に配置している。それぞれ2深裂(正面から普通に見ると2/3程度(基部から計ると実際には2/5程度)、切れ込む)し裂片は倒長楕円状。基部は緑。メシベ1、オシベ6。若い花序の先で先端にかたまった蕾はみな広卵体でかわいらしい。
萼は丸みの強い立体の卵形(卵体をカットした形状)外側に開出毛が生えている。内側は無毛。時期が進むと段々薄く黄色くなる(枯れているだけだと思うが。)。縁は白い

葉の様子

ヒメナズナ 葉と茎 ヒメナズナ 葉 ヒメナズナ 葉
葉はロゼット状に株元にたまり茎葉はまったくない。倒披針形〜倒卵形で、縁は弱い波状鋸歯が2、3回だけある。先端は、細いが円頭。
1cm〜1.5cm程度と小さい。数はやたら多く重なっている場合が多い。毛が密生。葉や茎に生える白い毛は星状毛(分かれる毛)で、二股もしくは三股になっている。

果実の様子

ヒメナズナ 果実 ヒメナズナ 若い種子 果実は扁平で基部と先端が三角状の等幅形で一応長楕円と呼ぶべきかという形状のものか、逆さの水滴形に近い形状かになっている。この場合基部側がくさび形に近く先端側が弱い円形に近いため重心は先端寄りに見える。長さ6mm〜8mm程度。

種子と果実の仕切りの様子

ヒメナズナ 果実 ヒメナズナ 種子 ヒメナズナ 種子
ヒメナズナ 熟して裂開した果実と茶色くなった種子 ヒメナズナ 果実の仕切り 種子は赤褐色か橙褐色で、やや扁平な卵形。しきりの片面には、20数個〜30数個の種子が入っていて、両面についている。結構な数になっているので、繁殖するのも頷ける。果実が開いてふたがなくなり種子をこぼした後の、まるで金魚すくいを振りかざした感じが何ともいえない。この部分は結構目立つ。

(標本前の個体)

ヒメナズナ 標本前 ヒメナズナ 標本前

同定の経過について

あららな顛末を公開してみる。
→2008/05/06
帰化植物だろうな、と思い、eFloras.orgにあるFlora of Chinaの検索表を手始めに辿ると、D. melanopusかD. glomerataのどちらかに行き着く(また、該当ではない選択肢に無視して進んでもあっさり否定になる)のだが、どちらも明らかに異なる。やむを得ず、海外の各所の図鑑サイトやGoogleにて、Drabaをひたすた検索して似ているのを片っ端からジャンプして内容確認、D. vernaがやや似ているとは思ったのだが、たまたま見つかるサイトでは、どうも果実形状が異なるような気もする。
→2008/05/08
その後もイヌナズナ属で白色の花をつけるものを調べ、同定がまともそうな教育機関系等を中心とした海外サイトで詳細レベルの絵合わせと記述の確認をしまくったが、結局数を見ると、vernaの果実形状は円頭のものの方がむしろ少なく大抵尖っていた。前段階でたまたま参考にした少ない資料が、var. boerhaavii Van Hallあたりのデータだった模様。そちらは長さが幅の倍程度しかない丸っこい果実らしい。
花の形状・サイズ、萼の形状や毛、草丈、葉の形状とつき方、葉や茎の2、3に分かれる特殊な毛、果実の形状、等といった各所の特徴がvernaの画像と細かく一致する。
また、各特徴が一致するようなものがvernaのほかには見つけられない。
(ちなみに、vernaは多分「vernal」由来。意味的には、「春の」。)

…と、勝手に四苦八苦していたものの情報が少し少ない気がしたのでシノニムで登録されている名前がないか探してみた。「Erophila verna」が見つかる。
ヒメナズナという和名も既にあり、ヒメナズナ属とされている。
環境省の「我が国に定着している外来生物のリスト(暫定版)」にも掲載されていて…『定着』と…。
更に日本植物学会のお知らせがたまたまヒットし…仙台市でも確認されている模様。
…これでよいようだ。
自分のミスで相当な遠回りをしただけで、何のことはない種の模様。新しいもの見つけたのかな〜とか思って舞い上がっていたようだ。
(⇒この記事は公開に切り替え)

→2008/05/08追記
今更書くまでもないが、eFloras.orgの詳細解説は「Erophila verna」としてちゃんとある。
もちろん改めて読んだ。…。
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=5&taxon_id=250009786


花確認:
2008(F5)
2009(F5)
実確認:
2008(C5)
2009(C5)

千葉県のヒメナズナ属

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